2021-01-01から1年間の記事一覧

(第33回)廣枝音右衛門慰霊祭に参加して

廣枝音右衛門(ひろえだおとうえもん)と書いても歴史上の人物として取り上げられることは滅多にないので、ご存じない方が多いと思いますが、この方の慰霊祭に参加しました。場所は苗栗県獅頭山勧化堂でした。 (獅頭山勧化堂の後廟) (慰霊祭の様子、24名…

(第32回)中華民国中央銀行と台湾銀行について

現在流通している紙幣及び貨幣を見ると発券元は、中華民国中央銀行と印刷されています。取りも直さず、台湾政府系の唯一の中央銀行で発券業務を司っているわけですが、日本の中央銀行が日本銀行であるように、台湾の中央銀行は、嘗て日本統治時代の中央銀行…

(第31回)毛沢東夫人(江青)と蒋介石夫人(宋美齢)

1991年6月、毛沢東第四夫人だった江青が北京郊外の監禁先で自殺したニュースを人民日報で知った時のことはよく覚えています。四人組の一人として裁判の様子や死刑判決のTVニュースも衝撃的でしたが、まだ生きていたんだと言うのが正直な印象でした。 当時は…

(第30回)台湾バナナについて

台湾の歴史からは少々逸脱しますが、今回は嘗ては外貨収入の稼ぎ頭の一つだった台湾バナナについて書きたいと思います。 私の趣味は歴史以外ではランニングで国内外各種マラソン大会にも出走しています。どの大会でも給食場所(エイド)に1/3にカットされて…

(第29回)終戦と引き揚げ事業について

今回は、日本の台湾統治の終焉である中国戦区台湾省降伏受諾式典(無条件降伏)後の日本人引き揚げ事業について書きたいと思います。 ⇒降伏受諾式典に関しては、第2回ご参考ください。 (1945年10月25日、台北市内(現中山堂)で行われた中国戦区台湾省降伏…

(第28回)閩南語(びんなんご)と台湾語について

私は台湾語(ホーロー語(河洛語・福佬語))を勉強しています。中国語(普通語)は上手ではありませんが、長い期間中華圏ビジネスに携わってきたお陰で、日常生活やビジネス上では不便はしていません。でもせっかく台湾で起業しているのですから、現地言語…

(第27回)台湾ビーフン(米粉)の思い出について

第26回で台湾における初等・中等教育について調べていたら、台湾名物料理のビーフン(米粉)の思い出について書きたくなりました。いつもの台湾歴史の内容から少々ずれますが、ご勘弁頂きたく存じます。 (寧夏夜市にて) 何故、教育とビーフンが結びつくのか…

(第26回)台湾の日本統治時代における初等教育(公学校)について

MRT淡水信義線芝山駅から徒歩で20分ほど歩くと、夜市で有名な士林区に芝山公園が有ります。2千万年前の大昔には海底でしたが、火山噴火により小高い丘になった場所です。アンモナイトも発見される場所です。 公園内に清朝康熙帝時代に福建省漳州府からの移民…

(第25回)台湾総督府と総督明石元二郎 ~李登輝元総統を偲んで~

2020年7月30日、李登輝元総裁が惜しまれながらも亡くなりました(享年97歳)。日本の台湾統治時代、新渡戸稲造に憧れて京都帝国大学農学部卒業、自らを親日派と言って憚らない政治家にして農政学者でもありました。ちなみに、新渡戸同様に李登輝氏もクリスチ…

(第24回)台湾における日本統治時代の専売制について

今回は台湾における日本統治時代の専売制に関連することを書きたいと思います。先ずは、専売制の定義「国家が財政収入を増加させるために、特定物資の生産・流通・販売を国家管轄化に置くこと。発生する利益は、国家独占となる。」 台湾総督府の財政について…

(第23回)烏山頭水庫(ダム)を造り、嘉南平野を実り多い土地にした八田與一ついて

第14回で紹介した新渡戸稲造の研究で糖業が台湾一大産業になったのも、第15回で紹介した磯栄吉が作った日本米と台湾米の混合品種の蓬莱米もある意味で、このインフラが整備されたからこそ台湾総督府の財政と日本内地に多大な影響を与えたと言っても過言では…